かおりと記憶。
私だけかもしれませんが、
冬の終わり、暖かな日が増える頃に感じる香りがあります。
どんな香りかというと、
少し湿った畑の土のような、生木を割ったような香り。
※自分でも最適な表現がわかりません(笑)
私の中では、その匂い=春が来るという設定になっているようで、
あぁ、もうすぐ春が来るんだなぁという気持ちになります。
それと同時に、新学期=緊張する、という幼いころの心細さも少し。
匂いを嗅ぐ=嗅覚には他の五感にはない特徴があります。
その特徴を、ちょっと端折りながら書いてみます。
視覚や聴覚など他の感覚は、理性や思考などを司る『大脳新皮質』という器官を通ってから、『海馬』という場所へとたどり着きます。
けれど、嗅覚は寄り道せずに『大脳辺縁系』の『海馬』へと直接つながります。
※大脳辺縁系は本能(感情)を司っている器官。
海馬は記憶と深い関係があるとされている器官。
どういう事かと言いますと、
・知的・理性的な判断を経ない
・考えるより前に感じる
ということです。
嗅覚は記憶と深い関係があり、
かおりは記憶のファイルに紐づけされている、とも言えます。
そこに感情も付いてきたらどうでしょう。
香りを嗅いだら、一瞬で『あの時』がよみがえると思いませんか?
例えば、私のことですが、
・子供の頃、家に子犬を迎えた日はちょうど金木犀が咲いていた。
→金木犀の香りを嗅ぐと、子犬が来たこと、そのときの嬉しさやワクワク。
そのときの情景が一瞬で脳裏に広がります。
段ボールの中でタオルから顔を出す、丸々した子犬。かわいかった^^
そんな情緒をゆさぶるかおりの記憶。
トリートメントで使用する精油をお客様主体で選んでいただくのは、
ご本人だけが感じる何かを大切にしたいと思うからです。
一緒に精油の香りを嗅いで精油をお選びするとき、
私はお客様の半歩後ろをついていくような気持ちでいます。
ちょっと違うわぁ…という香りをお薦めすることはありません。
お客様の心地よい香りで、心穏やかに、時には元気に!
サロンのかおりが、癒しの時間を過ごした記憶となりますように♡
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